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年末調整とは|何をしている?何のため?しくみを解説

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年末調整って何をしているの?

わからないから適当に書いてる

なんでかお金が戻ってきてラッキー

会社に勤めている人が受ける「年末調整」

わからない・めんどくさいと思っている方が多いですよね。

実は、年末調整は、自分が払う税金(所得税)を計算するための大事な手続き

適当に書いていると、払わなくていい税金を払って損をしているかもしれませんよ。

この記事では、働く人なら知っておきたい「年末調整のしくみ」について、どこよりも簡単に解説します!

この記事の内容
  • 年末調整とはなにか?
  • 年末調整のメリット
  • 年末調整で節税するポイント
  • お金が戻ってくる時、戻ってこない時

この記事を書いている私は、現役の人事!
毎年2000人の年末調整をしています

役に立つ知識なので、ぜひ読んでみてくださいね。

目次

年末調整は、所得税を精算する手続き

年末調整は、所得税を精算する手続き

年末調整とは、お金を稼いだ人が払う税金を精算する手続きです。

日本では、お金を稼いだら、税金を納めなければいけません。

この税金を「所得税」といいます。

「所得税」は日本に40種類以上ある税金のひとつで、国の収入の17.5%を占めています。(令和3年度)

集めた所得税は、みんなが快適に暮らすための公共サービス等に使われます。

所得=儲けのこと

たとえば月給20万円の人は、丸々20万円を自由に使えるわけではありません。

給料から、社会保険料が引かれていたり。
仕事をするために自分で買わなければいけないものもあります。

極端な例を出すと…
家にずっといるなら裸でも暮らせますが、仕事へ行くには絶対に服や靴が必要ですよね

これらは仕事をしていて最低限かかるお金、つまり「必要経費」です。

お金を稼いだといっても、必要経費の分はあって無いようなお金なので。

税金は、給料から必要経費を差し引いた、いわゆる「儲け(利益)」だけにかかります。

この儲けのことを「所得(しょとく)」といいます。

収入 ー 必要経費 = 所得

所得に対してかかる税金だから「所得税」

「収入」と「所得」の違いは、覚えておくと便利ですよ!

年末にする理由

所得税は1年単位で払う税金で、1年間の所得(儲け)に税率をかけて税額がきまります。

1年間の所得 ✕ 税率5〜45% = 所得税

  • 1年間は、1月1日〜12月31日でカウント
  • 所得が多いと税率が高くなる(たくさん稼いだ人ほど多くの税金を払う)

毎月の給料から引かれている所得税は、実は、おおよその予想額なんです。

1年間の稼ぎは年末にならないとハッキリしませんし、年1回しか計算できない割引があったり色々な理由で、どうしても所得税の金額はズレてしまいます。

そこで、1年間の稼ぎがハッキリする「年末」に、所得税の過不足を精算して、正しい金額に「調整」します

それが、年末調整です!

年末にするから「年末調整」

年末調整はお金が戻ってくると思われがちですが、そうとは限りません!

「調整」なので、毎月の給料から所得税を払いすぎていれば戻ってくるし、逆に足りなければ徴収されます。

年末調整は1番簡単な納税方法

年末調整は1番簡単な納税方法

お金を稼いだ人は、自分で国(税務署)に所得を申告して、所得税を払う義務があります。

このための手続きが「確定申告」です。

「確定申告」は毎年2月15日〜3月16日

前年中(1〜12月)、の所得を申告して、所得税を納めます。

確定した金額を申告するから「確定申告」、そのままのネーミングです

ただ、もし日本で働く全員が、税務署へ行ったら大混雑してしまいますよね。

それに、うっかりや故意に申告しない人がいたら、国の収入が減って困ってしまいます。

そこでもうひとつの納税方法、「年末調整」が用意されています。

会社が納税を代行している

給料分の所得税は、会社が給料から差し引いて、まとめて税務署に納めるきまりになっています。

会社が所得税を天引きして納税するしくみを「源泉徴収(げんせんちょうしゅう)」と言います。

年末調整が終わった後に配られる「源泉徴収票」は、会社が源泉徴収(天引き)した所得税の年額を証明する書類です。

毎月の給料から少しずつ納税しておいて、年に一度、本人から1年間の所得・控除(割引)を申告してもらって正しい金額に調整します。

この年に一度の本人がする申告が「年末調整」で、会社でできる「確定申告の簡易版」と言えるでしょう。

年末調整は、自分で確定申告しなくていいのがメリット!(一部の人は例外)

年末調整や、源泉徴収(給料からの税金天引き)は

  • 働く人が、自分で申告納税する手間がかからない
  • 税務署の職員も楽ちん
  • 国は、税金を取り損ねることがない

という、みんなに嬉しい制度です。

年末調整をしない人は確定申告へ

会社が勝手に給料から天引きしているので意識していない人も多いのですが…
所得税は、個人に申告・納付する義務があります。

なので、退職した人や自営業・フリーランサーなど会社で年末調整を受けられない人は、自分で税務署に稼ぎを申告して納税(つまり確定申告)しなければいけません。

一定以上の稼ぎがある人が年末調整も確定申告もしないと、「所得隠し」や「脱税」という法律違反でペナルティ(罰金)が科せられることがあります

年末調整で節税するポイント

年末調整で節税するポイント

年末調整で大事なことは、稼ぎ(所得)や受けられる割引(控除)をきちんと申告すること!

会社は、個人からの申告をもとに所得税を計算します。

なので、自分が間違えた申告をすると会社の計算結果も間違えてしまい、払わなくていい税金を払うことになりかねません。

払い足りないときは、税務署から不足額を払うように督促がくることもありますよ(私の勤め先では年に数人、督促状が届いています)

申告する稼ぎや割引が、多すぎても少なすぎてもダメ!

正しく、正確に、申告することが大事です。

自分で申告する割引(15種類)

所得税には、自分で申告する15種類の割引(所得控除)があります。

年末調整でよくわからないまま、なんとなく書類を出してしまう人がとても多いのですが…もったいないです!

自分が受けられる割引(控除)は、すべて漏れなく申告しましょう!

1基礎控除基礎控除申告書を提出するだけ(全員可)
2配偶者控除妻・夫を扶養
3配偶者特別控除妻・夫を扶養
4扶養控除16歳以上の家族を扶養
5障害者控除自分や扶養家族に障害がある
6寡婦控除自分が寡婦(夫と死別等)
7ひとり親控除ひとりで子どもを育てている
8勤労学生控除自分が学生
9社会保険料控除社会保険料を払った
10生命保険料控除民間の生命保険料等を払った
11地震保険料控除住まいの地震保険料を払った
12小規模企業共済等掛金控除iDeCoなどを払った
13医療費控除 ※一定額以上の医療費を払った
14寄付金控除 ※ふるさと納税等の寄付をした
15雑損控除 ※災害、盗難などで被害を受けた
※13〜14は、年末調整では受けられない控除(確定申告が必要)

年末調整では、3種類の用紙で、これらの割引(控除)を申告します。

  1. 扶養控除等(異動)申告書
  2. 基礎控除申告書 兼 配偶者控除等申告書 兼 所得金額調整控除申告書
  3. 保険料控除申告書

あと、自分で用紙を用意する「住宅ローン控除」もあります

お金が戻ってくるとき・戻ってこないとき

お金が戻ってくるとき・戻ってこないとき

人事で働いていると、「たくさん割引(控除)を申告したのに、お金が戻ってこない!」「戻ってきた金額が少ない!」という問い合わせを毎年受けます。

年末調整で割引(控除)を申告したら必ずお金が戻ってくると思っている方がいますが…それは勘違いなんです。

年末調整は、所得税を「精算」する手続きです

よくある勘違い2つについて、解説しますね。

  1. 割引=戻ってくるお金ではない
  2. 払っていない所得税は戻ってこない

①割引額=戻ってくるお金ではない

年末調整で申告する割引は、所得税の税率をかける元になる「所得(儲け)」を減らす割引です。

各種割引は「所得控除」といって、所得税の計算上、「必要経費」としてみなされます。

収入 ー 必要経費(所得控除) = 所得

割引(控除)は、所得税そのものを直接減らす割引ではありません。

わかりやすいように計算例で説明してみます。

給与収入130万円(所得27万円)で、所得税1万3,500円の人がいるとします。

この人が、20万円の割引(控除)を申告すると・・・

所得が7万円になるので、所得税が3,500円(▲1万円)になりました。

割引20万円は「所得」を安くするので、「所得税」が20万円安くなるわけではありません

割引(控除)の申告をした金額が戻ってくるお金ではないというしくみ、理解できたでしょうか。

「住宅ローン控除」だけは例外!
税額控除といって、申告した控除額と同額の所得税が安くなる、超協力な割引です!!

②払っていない所得税は戻ってこない

年末調整は、毎月の給料から天引きしてきた所得税の「過不足を精算」する手続きです。

つまり、どんなに割引(控除)を申告しても、最大で戻ってくるお金はもともと給料から引かれていた所得税の合計まで

たとえば・・・

給料から1年間で引かれた【所得税3万円】の人が、年末調整をして【所得税2万円】に確定すると
払いすぎた1万円(3万円ー2万円)が戻ってきます。

自分が払いすぎたお金が戻ってくるだけで、新たにお金がもらえるわけではありません。

なので、もともと所得税を払っていなかった(給料から引かれていない)人は、年末調整しても1円もお金が戻ってくることはありません。

目安として、毎月の給料が88,000円未満だと所得税は引かれていませんよ

まとめ:年末調整を活用しよう

年末調整を活用しよう

この記事では、「年末調整」の基本的なしくみについて解説しました。

年末調整とは、所得税を精算する手続きのこと。

所得税とは
  • お金を稼いだ人が払う税金が「所得税」
  • 自分で国(税務署)、に申告・納税するのが原則
  • 年に1回、申告納税する手続きが「確定申告」

年末調整は、会社で受けられる「確定申告の簡易版」のようなもの。

「年末調整」をすると、基本的には自分で「確定申告」しなくてよくなります。
税務署へ行かずに、会社で簡単に申告・納税が完了できるのがメリット!

大事なことは、自分で正しい内容を申告すること!

間違えた申告をしたり、受けられる割引を申告し忘れると、所得税を払いすぎることになるかもしれません。

なんとなく受けるのではなくて、自分の「節税」を意識しながらしっかり申告しましょうね。

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