「4月5月6月に残業すると損」ってホント?
4〜6月にたくさん稼ぐと損になるという話。
聞いたことがある人も、多いのではないでしょうか。
この話は「真実」!
でも、内容をちょっと勘違いしている人が多いんですよ。
この記事では、働く人なら知っておきたい知識。
「4・5・6月に稼ぐと損」のしくみについて
人事のお仕事15年・FP3級の管理人が、わかりやすく解説します。
[cat_fusen01 title=”この記事でわかること“]
- 4〜6月に稼ぐと損になる理由
- 社会保険料の見直しルール
- みんながよくする勘違い
[/cat_fusen01]
それでは、どうぞ!
4・5・6月に稼ぐと社会保険料が増える
「4月5月6月に稼ぐと損」と言われる理由は社会保険料が増えるから!
残業が多いなどで4〜6月の給料が増えると、その後1年間に払う社会保険料が高くなります。
給料から引かれる社会保険料が増えて、給料の手取り額が減るので「損」なんです。
自由に使えるお金が減るのは困るよー!
会社で社会保険に加入していない人は、稼いでOK
「4・5・6月に稼ぐと損」というのは、会社で社会保険に加入している人だけの話です。
雇用保険・労災保険は、関係ありません。
つまり
- 家族に扶養されている人(家族の健康保険に入っている人)
- 国民健康保険・国民年金の人
- アルバイトやパートで、会社で社会保険に加入していない人
は、4〜6月に稼いでも社会保険料が増えることはないので、損にはなりませんよ。
給料から社会保険料が引かれていない人は、4〜6月も気にせず稼いでOK!
税金が高くなるは間違い
「4月・5月・6月に稼ぐと税金が高くなる」は、よくある勘違いです。
税金と社会保険料は、どちらも給料から引かれるお金ですが、全く別のものだからです!
税金は、1年間の稼ぎで決まる
給料から引かれる税金には【2種類】あります。
2つとも、1年間の稼ぎで金額が決まる税金なので。
4〜6月の稼ぎだけを気にする必要はありません!
でも…
1年間バリバリ稼いだら、税金が高くなるってこと?
その通り。年収が増えると、残念ながら税金も増えます。
税金を減らしたい人は、年末調整や確定申告での「控除(割引)」を増やすといいですよ。
社会保険料は年1で変更される
社会保険料はずっと同額ではありません。
定期的に、その時の給料に見合った保険料に見直すルールになっています。
- 毎年1回
- 4〜6月給料の平均額で見直す
- 全員が対象
年1回の社会保険料の見直しは
専門用語で「定時決定」や「算定(さんてい)」と言います。
社会保険料の決め方は3つあって、その中のひとつが年1回・4〜6月給与で見直す「定時決定」です。
新しい社会保険料は9月から1年間使う
4〜6月の給料をもとに決めた新しい社会保険料には、その年の9月分から変更します。
保険料変更の流れ
- 4〜6月の給料を支払う
- 7月に、4〜6月給与の平均額を計算して届け出する
- 8月に、新しい社会保険料の決定通知が届く
- 9月分の社会保険料から変更する
社会保険料は、会社の届け出をもとに
健康保険・日本年金機構が決定しているんですよ。
新しく決めた社会保険料は、原則1年間(9月分〜翌年8月分)そのままです。
4〜6月の給料が多いと、1年間も高い社会保険料を払わなきゃいけなくなるんだ!!
給料には、各種手当も含む
社会保険料を決めるときの「給料」には
基本給だけでなく
- 残業代
- 通勤手当
- 家族手当
- 皆勤手当
などの各種手当も含みます。
なので、基本給や時給が変わっていなくても、残業をたくさんしていると社会保険料がドンッと高くなる可能性があります。
臨時のもの(慶弔見舞金など)と年3回以下の賞与は、「給料」に含みませんよ。
4〜6月だけ残業が多いと損になる
4〜6月に残業が多いと。
残業代で増えた4〜6月給料を基準に、その後1年間の社会保険料が高額に設定されてしまいます。
毎月同じくらい残業するならいいのですが。
4〜6月だけ残業が多いときは、残業がない月にも実際の給料よりも多めの社会保険料を払わなければいけなくなります。
たとえば…
4〜6月の残業が多くて給料平均が月2万円高くなると、月の社会保険料は3千円くらい上がります。
月3千円って、年間で3万6千円!
そんなに手取り給料が減るなんて!!
4・5・6月は、給料をもらった月
勘違いしている人が多いのがコレ。
4〜6月の3ヶ月の給料を平均した額で一年間の社会保険料を決めますが。
ここでいう「4・5・6月」というのは、給料をもらった月(給料日)のことです!
働いた月
給料をもらった月
社会保険料を決める基準になるのは、4/1〜6/30の間にもらった給料です。
4/1〜6/30に働いた分の給料ではありません!!
社会保険料を決めるときに見るのは、給料日ベースです。
社会保険料を増やしたくないときは、4/1〜6/30に残業しなければいいんだと勘違いしてた!
給料の締め日は、会社によって違う
いつ働いた分が・いつもらえるのか(給料日)は、会社によって違います。
<例>
3/1〜3/31勤務分[jin_icon_arrowb]4/10給料日
3/15〜4/14勤務分[jin_icon_arrowb]4/25給料日
4/1〜4/30勤務分[jin_icon_arrowb]4/30給料日
一年間の社会保険料に影響するのがいつ働いた分の給料なのか?は、勤め先のルールを確認してくださいね。
社会保険料が増えるメリットもある
毎月の給料から引かれる社会保険料が増えることを「損だ!」と感じる人が、ほとんどですが。
実は、社会保険料を多く払うメリットもあるんです!
- 健康保険の給付が増える
- 将来もらう年金額が増える
保険料をたくさん払うということは、健康保険・年金保険からもらえるお金も増えるということです。
そう言われても…年金をもらうのはずっと先だし(本当にもらえるのかも怪しいし)、手取り給料が減ると損にしか思えないなぁ
もらえるお金は、歳をとってからの老齢年金だけではないんですよ。
健康保険の給付が増える
会社で加入している健康保険には、「傷病手当金」と「出産手当金」という給付があります。
- 傷病手当金(ケガや病気で仕事を休んだときにもらえる)
- 出産手当金(出産のために休んだときにもらえる)
払っている社会保険料に応じた額がもらえるので、払う社会保険料が増えると給付額も増えます。
「傷病手当金」は身近な給付金です。
ケガや病気で仕事を休んだとき…新型コロナやインフルエンザで1週間の自宅療養をしても申請できます。
また、働きながら出産する女性は、出産前後に仕事を休んだときに「出産手当金」を申請できます。
病気やケガで休むことは誰でもありえるし。
近いうちに出産予定のある人なら、社会保険料が増えるのもアリかもね。
年金が増える
社会保険料をたくさん払うと、65歳になったときにもらえる「老齢年金」も増えます。
そして、もらえる金額が増える年金は、他にも2つあります!
- 障害年金(病気やケガによって生活や仕事などが制限されるようになったときにもらえる)
- 遺族年金(亡くなった人の遺族がもらえる)
「障害年金」や「遺族年金」をもらうような事態は、できれば起こってほしくないですが。
何かあったときのための保険に払っていると思えば、社会保険料が増える=損というイメージは変わるかもしれません。
毎月の手取り給料を多くするのか。
何か起こったときにもらえる保険を手厚くするのか。
自分が優先したいことによって、損得の感じ方が変わってきますね。
うーーん…やっぱり毎月の手取り給料が多いのが一番だけど!
社会保険料を払うのが損って気持ちは、ちょっとだけ減ったかも。
【まとめ】4・5・6月の給料で社会保険料が決まる
この記事では、「4〜6月に残業すると損」のしくみについて解説しました。
- 4〜6月給与の平均で、その後1年間の社会保険料が決まる
- 4〜6月の給料が多いと社会保険料が増える、つまり給料の手取りが減るから損
- 社会保険料は4〜6月の給料日にもらった給料で決まる(いつ働いた分かは会社による)
社会保険料を増やしたくない人は、4〜6月の給料日にもらう給料を抑えることが有効ですよ。
できるだけ残業しないようにするっ!
4〜6月は唯一、自分で「社会保険料」に影響できる機会です。
働いている人は、ぜひ意識してみてください。
そして…なんと!4〜6月給与で社会保険料を見直さない例外の人もいるんです!
詳しくはコチラの記事で解説しているので、よかったら続けてどうぞ。
https://umiko-days.com/santeireigai/うみこ(@umiko_happyDAYS)
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